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栄養だより

2018年

年齢を重ねるごとに脳の委縮は進み、40歳を過ぎると10年単位で約5%ずつ脳の容量は小さくなると言われます。ですが、脳の機能自体を維持することが出来れば、アルツハイマー症や認知症のような症状の予防が可能になると言えます。その手助けになるのが「運動」であるということが、西シドニー大学の研究者らにより発表されました。
当研究は、健常者、アルツハイマー症など認知機能に障害のある人、うつ病など精神性疾患を持つ人などを含む、平均年齢66歳(24~76歳)の集団を対象に行われました。期間は3~24か月で、自転車やウォーキングなど有酸素運動の効果が検証されました。結果としては、運動には脳の海馬体左領域のサイズを増加させる作用があり、さらに、運動により脳由来神経成長因子と呼ばれる化学物質が脳の中に生成され、それが加齢に伴う脳機能の低下を抑制するというものでした。海馬体全体の容量が増える訳ではないものの、脳の健康維持には運動が数少ない手段の一つであることが実証されたことになります。
齢を重ねるごとに身体には様々な変化が訪れます。でもそれらすべてが不可逆的現象とは言い切れません。放っておけば衰えるだけの筋肉も鍛える努力をすれば維持は可能であり、脳も同様に機能を維持することによって結果的にそれが健康寿命の延伸にもつなげることが出来るのです。齢をとり不自由が増えることをただ嘆くのではなく、いかに機能を維持し、あわよくば向上させることが出来るかを考え、行動していくことが必要なのではないでしょうか。

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