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診療室だより

2012年

肺活量1リットルそこそこのSさんにとって、肺炎の発症は呼吸苦との闘いになりました。肋間筋を肋骨の間にめり込ませながら空気を吸う姿は見ている人をも呼吸困難にさせる程です。
88歳のお年寄りにとって、肺炎はもっとも危険な病気です。この冬もインフルエンザの蔓延と相俟って、多くの老人施設で亡くなる方が後を絶ちません。その多くは肺炎の合併によるものと考えられます。
Sさんは熱心な真言宗の信者さんです。毎朝御詠歌を20分仏壇の前で歌うのを日課としていました。そのおかげで息を吐く力が強く、何と肺炎から立ち直ってしまったのです。
日頃から大きな声を出す習慣が、容量の小さな肺を目一杯利用する方法を身に付けさせていたこととなり、勝利に結びついたと考えられました。
引きこもりがちなお年寄りには、時にはカラオケ等で腹から声を出してもらうことが重要な養生法のようです。

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